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各製品詳細

クラスレート

  • バッチ式ガスハイドレート生成装置
  • 連続式ガスハイドレート生成装置
  • ガスハイドレート連続生成可視化装置
  • ガスハイドレート分解挙動観察装置
  • 高圧プレス式ガスハイドレートペレット製造装置
  • ガスハイドレート光学測定セル(FT−IR、ラマン)
  • 回転ドラム式ガスハイドレート生成装置
  • ポリカーボネート全透過型ガスハイドレート生成分解装置
  • 電子冷熱式ハイドレート生成分解装置
  • ガスハイドレート生成・分解3次元温度分布測定装置
設計圧力 50MPa
設計温度−20℃〜40℃
材質SUS316、ポリカーボネート、その他
対応ガスCO2、メタン、プロパン、エタン、ブタン、フロン、キセノン、その他現在水素ガスハイドレートに対応すべく超高圧水素ガスハイドレート生成装置の開発を致しております。

メタンハイドレート

西暦2???年。地球上の石油は残りドラム缶1本、天然ガスはボンベ1本、そして石炭は使いきり・・・。地球の大気には化石燃料から発生した二酸化炭素が充満し、温暖化により陸地はかつての70%。「そんなのはずっと先のこと」なんて、もう言ってられません。例えば石油は今と同じような使い方を続ければ、あと30年たらずで足りなくなると言われています。石油は発電だけではなく、乗り物の燃料や石油化学製品にも利用されているわけですから、もし無くなってしまったら暮らしそのものがまったく変わってしまいます。

だからこそ必要なのが、石油や石炭に代わる次世代エネルギーなのです。現在、世界中でいろいろな次世代エネルギーが研究されていますが、その中でも特に注目されているのが、「燃える氷」メタンハイドレートなのです。

海の底はエネルギーの宝庫

水の分子によって作られる、ガスの分子を包み込んだカゴのような結晶構造を、「ハイドレート」と言います。ハイドレートは水でも氷でも水蒸気でもない4番目の水の状態で、見た目は氷にそっくり。そのハイドレートの中によく燃えるメタンの分子が閉じ込められたものが「メタンハイドレート」。水がハイドレート化するための条件は低い温度と高い圧力。その条件が自然界の中で成立するのが深い海の底というわけです。

たとえば4度近い水温であれば500メートル以上に相当する圧力が必要ですし、10度程度の水温であれば1000メートル以上に相当する圧力が必要になります。つまり温度が高ければそれだけ高い圧力が必要になるのです。そしてこのような条件は、深海では特別なものではないのです。

海の底にはプランクトンの死骸などが堆積し、やがて発酵してメタンガスを発生させます。ハイドレートはそのメタンガスの分子を包み込む形で形成されるのです。つまり、今この瞬間にもメタンハイドレートは増え続けているのです。見た目は氷にそっくりな「燃える氷」メタンハイドレートが静かに眠る海の底は、まさにエネルギーの宝庫だと言えます。

地球温暖化の救世主

今、地球規模の環境破壊が大きな問題となっています。中でも、二酸化炭素などの温室効果ガスの増加が原因とみられる地球温暖化は深刻で、気温の上昇により、自然や生活環境にいろいろな悪影響が出ることが予想されています。このままいくと今世紀末には地球全体の平均気温が2度上がるというデータもあり、そのときには海面が平均50センチメートル上昇する計算になります。そうなればモルジブなどの平らな陸地は海の中に沈んでしまうのです。そこで再び注目されるのが「メタンハイドレート」。メタンは元々石炭や石油などの化石エネルギーに比べて二酸化炭素発生量が少ないのですが、さらにメタンを燃やしたときに発生した二酸化炭素を、人工的に水のカゴ、ハイドレートに閉じ込め、再び海底に戻してしまおうというのです。メタンハイドレートを掘り起こして出来た穴に戻すので、海底の地形を変化させることもありません。石油や石炭と違って常に増えつづける、しかも地球環境にやさしいとなれば、メタンハイドレートはまさに「地球を救う燃える氷」ですよね。

他のエネルギー源と比べてみると…。
天然ガスと比べると…?

メタンハイドレートの資源量は、在来型天然ガスに比べて豊富で、日本周辺に限定すると、約6兆立方メートルあると推定されています。これは、日本の年間天然ガス使用料の100年分以上に相当する膨大な量です。

有機炭素の半分以上…?

地球上のすべての有機炭素のうち、化石燃料、メタンハイドレート、生物などが占める割合を見ると、メタンハイドレートは全有機炭素のおよそ55パーセントを占めています。これは、化石燃料全体よりも多く存在することを意味しています。

日本のまわりは好条件

日本の周辺には深い海が多い上、プランクトンなどの生物がとても多いのです。つまり日本近海は、メタンハイドレートができる自然環境に恵まれていると言えます。現在いろいろな調査により、数ヶ所のメタンハイドレート分布域が見つかっています。

実用化へ向けて

「メタンハイドレート」のように、ハイドレートの中にガス分子を取り込んでいるものを「ガスハイドレート」と言います。ガスハイドレートが発見されたのは19世紀末ですが、広く知られるようになったのは1980年代のことです。

それ以降さまざまな国でハイドレートの研究が進められてきましたが、エネルギー資源を輸入に頼っている日本では、特に次世代エネルギーとしての期待が高く、産総研ではメタンハイドレートを所内の装置で生成するなど、実用化へ向けた研究が行われています。

メタンハイドレートは深い海の底にあるため、今までの掘削技術で採取することはできません。従って、深い海に対応できる掘削技術や生産システムのレベルアップが求められます。また、資源量、海底の状況などを、より正確に把握する必要があります。そのために各種探査技術、コア採取技術などの向上も重要な課題となっています。


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